キリギリスの雑記帳
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これぞ大人の秘密基地

大人の秘密基地
私の先輩が作った小屋の内部


いくつになっても特に男は、自分だけの自由な空間、つまり「隠れ家」とか「秘密基地」と言われるようなものを欲しいのではないだろうか。 って、自分も欲しいからね。

お前は住宅そのものを自分で作ったんだから充分満足だろう」と言われるかもしれないが、普段住む家と秘密基地とは全くの別物なんだよな~

あ~、もっとお金があって、どこかいい場所があれば、すぐにでも作りたいや。そこで気の合う人たちと酒盛りをして泊まるのだ。(^_^)v

もし誰かに「理想の秘密基地」とはどんなのだ? と問われれば、以下の条件を提示したい。

理想の秘密基地の条件
  1. 隣近所から離れている
  2. 居住空間は地面からある程度高い場所にある
  3. 広すぎない
  4. 薪ストーブがある
  5. 屋根裏部屋的な勾配天井になっている
  6. 屋根裏部屋がある
  7. 夜、寝ながら星を観ることができる
  8. ウッドデッキがある
  9. 音楽を楽しめる
  10. 出来れば、自分で作った小屋であること

ところが、これをすべて満たす理想的な「大人の秘密基地」を実際に作った人がいる。

それは若いときの職場の先輩である。


二度ほど訪ねたことがあり、呑み明かして一晩泊めてもらったこともある。そこは本当に素晴らしかった。

ここほど「大人の秘密基地」とか「隠れ家」という要素が十二分に凝縮された場所は、日本広しといえども滅多に無いんじゃないかな。

自分はこれを作った先輩を誇りに思う。彼が亡くなられてから今年で20年になるが、記憶に残るうちに彼の作品の素晴らしさを書き残しておきたい。 以下はその小屋の写真であります。(2003年撮影)

隣近所から離れている + 居住空間は地面からある程度高い場所にある

秘密基地の全容

ご覧の通り、周囲は適度な密度で樹が生い茂り、他は農地に囲まれているが人家からは相当に離れている。

このため、他人から観られることは少ないし、逆にこちらから多少の騒音を出しても迷惑にならない。


1階(のように見える部分)は、昔、牛舎か何かだったらしく、今は単なるブロックの壁が残るだけ。 本体の小屋はその上に作ったので、居住空間は三角屋根に見える部分だけ。

居住空間が高い位置にある極端な例はツリーハウスだけど、そこまで高くなくても、地面より高いと気持ち的に安心感があるもの

湿気も少ないし見晴らしも良い。

広すぎない + 薪ストーブがある + 屋根裏部屋的な勾配天井になっている

大人の秘密基地

広すぎれば隠れ家としては落ち着かない。 6~8帖くらいが丁度いい。

薪ストーブは是非ほしいが、この程度の広さならあっという間に暖まるから効率も良い。

部屋全体が屋根裏なので、勾配天井になっていて隠れ家的雰囲気いっぱい!


それにしても、この写真を見るたびに、なんて魅力的な空間なんだろうと自分は思う。(^^)

屋根裏部屋がある

ロフトに上る梯子

全体が屋根裏部屋的なのに、さらに屋根裏(ロフト)があるのだ。

ロフトへは当然、梯子で上る。 階段は便利だけど、隠れ家においては梯子でなくちゃ(笑)


そして、この梯子を上ると・・・

隠れ家のようなロフト

このように、人が一人横になれるだけの、秘密の中の秘密の空間が有るのである。(^^)

夜、寝ながら星を観ることができる


夜、寝ながら星を観ることができる」なんてのは、いかに隠れ家といえども、もはやオプションと言っていいくらい贅沢な仕様だと思うが、この小屋はそれが出来るのである。

自分は泊めてもらった際、ここに寝ることが出来た。

青空天井のロフト寝床


この小屋の棟の一部はスライドドアのようになっており、手動で屋根の一部がスライドして青空天井になる。

晴れた日の夜は、ここをスライドさせれば寝ながらにして満点の星を眺められるのだ。
 (^_^)v

スライド部分だけは透明ポリカの屋根材なので、日中は閉めても明るい。 スライドさせる仕組みはキャスターを使ったもの。

屋根からの風景

スライド屋根を開けて顔を出すと、このような風景を見ることができる。

それにしても、こんな急勾配の屋根をよくぞ一人で作られたものだと感心します。 さすが!

ウッドデッキがある

秘密基地のウッドデッキ

居室入口の前は4帖ほどのウッドデッキになっていて、ここは屋外であるため煙を出してバーベキューが出来る。

ウッドデッキ自体も地面から3mほど高い位置にあるため見晴らしよく快適。

訪ねたときはここで焼肉をご馳走になったものでした。

音楽を楽しめる

秘密基地内部ステレオスピーカー

自分だけの空間だからね~

ドーン!とスピーカーを置いて、好きな曲をかけてグラスを傾ける・・・ ん~ 最高!

自分の小屋だったら壁にギターをぶら下げ、酔いが回ったら懐かしい昭和の名曲をコード弾きしながら歌ってみたいものです。(笑)

出来れば、自分で作った小屋であること

部屋の内部

業者に頼んで建ててもらうのは、出来た建物の完成度・安心感や、時間の節約という意味でメリットがあるけれど、やはり自分で作る(セルフビルド)という選択肢は捨てがたいもの。

時間はかかるけれど、作る工程自体を楽しみ、その都度技術も身につき、完成が近づくにつれ何とも言えない誇りと充実感に満たされる・・ その魅力は計り知れないのです。


同じ内容の小屋(秘密基地)であっても、自分で作ったものであれば愛着の度合いも段違いでしょう。

もちろん、先輩の小屋もすべてご自身の手作り。

薪ストーブの煙突

先輩も自分と同様、建築の専門家でも何でもなかったけれど、人並みの体力とやる気があれば出来ちゃうんだよね ♪


呑みながら聞いた話だけど、もちろんお金をふんだんに掛けられる訳じゃないから、「いかに安く作れるか」をひとつのコンセプトにしていたそう。

内装は無垢の木をふんだんに使っているけど、一番安いカラマツの板を使ったので反り・捻れが多くて大変だったとか。

でも仕上がりはすごく魅力的。 まさに、これぞ大人の秘密基地!

夜の秘密基地

本当に楽しい一夜を過ごさせていただきました。

あの日から1年もしないうちに急逝されてしまった先輩。 何度もここに通って酒を酌み交わし、末永くお付き合いさせていただきたかったのに本当に残念です。

思い出を残したくて、こうして写真と文章を載せたけど、いいよね。


--- 2024年1月 記す---