下北の名峰 縫道石山に登ってみた
2019年9月18日(水) 天気 曇り 標高 626m
登山道途中から横道にそれた「ババ岩」から見た縫道石山。
正面から見ると絶壁だが、登山道は正面を避け、裏側から巻いて頂上に至る。
縫道石山が載っている東北百名山地図帳
山と渓谷社の「東北百名山地図帳」に載っている縫道石山(ぬいどういしやま)の写真を初めてみたときはインパクトがありましたね~
なんというか、東北の槍ヶ岳というかマッターホルンというか・・・
いつか行ってみたいと思っていたので、2泊3日の下北半島一人旅の中で登ってみました。
道はほとんどがヒバの樹林帯で、前半は楽勝だけど後半は岩の混じる急登!
天気が予報に反して曇りだったのが残念だけど、登れたことは大満足でした。(^^)v
地形図の出典 : 国土地理院ウェブサイト
地形図上に登山道のだいたいのラインを描くとこんな感じ。
最初は平坦で、一旦鞍部に下り、徐々に傾斜を増して最後は山頂北側の急登。
途中、ババ岩と呼ばれる展望の良い岩山への分岐点があります。
登りに1時間~1時間半をみれば良いでしょう。
(私は1時間半かかりました。)
前泊した大間崎から、登山口まで車で向かいます。
途中、何度か小さな集落を抜け、陸奥湾の美しい海岸線を見ながら下北半島西岸を南下していきます。
福浦漁港の集落に着くと、目指す縫道石山が見えてきた。
ここから林道(舗装されている)に入ってしばらくクネクネ道を登っていくと、峠のところが登山口の駐車場。
十数台は停められそうな駐車場。ここが登山口。
平日なので人は少ないだろうと思っていたが、まさかゼロとは・・・
登山道は出だしからして草が生い茂り、なんだかすごく原始の山に入っていくような気分・・・
ネットで見てきたとおり、熊鈴の無料貸し出しもしているので、多分、熊もたくさん生息しているんだろう。
今日は先行者ゼロだし、緊張感ありますなぁ~
扉を開けてみると、確かに熊鈴はあるものの、壊れていたりして実際に使えそうなのは1個だけ。
鳴らしてみたけど、あんまり大きな音はしなかった。
私はもちろん、いつも自分の熊鈴を持参しているのでそれを付けていきますよ。
自分の熊鈴のほうが、よく通る大きな音がします。
旅先の単独登山で、しかも他に誰も入山していないので、かなり気をつけていかなくちゃ。
※ 結局この日は、下山するまで誰とも会いませんでした。 この山にただ一人。
往路
最初からこんな藪っぽい感じ。
この先が思いやられるなぁ~ これじゃ見通しが悪すぎて、熊に遭遇する確率も高くなるじゃん!
・・・って思っていたら、数分で歩きやすい道に変わりました。 藪っぽいのは最初だけだったみたい。
立派なブナの巨木も点在
広葉樹が点在する青森ヒバの林の中を黙々と進んでいきます。
はじめは平坦な道が多く、歩きやすい。ほとんど汗もかかない。
青森ヒバの若木も点在。
これは葉裏です。
鞍部に下ると分岐点の跡がある。
すでに廃道となっているようで、踏み跡すらなかった。
この登山道は、岩の多いヒバの樹林帯の中がほとんどで、落ち葉や木の枝が地面全体にあるため、ところどころ道がわかりにくいのですが、ピンクテープが適当な間隔でしっかり設置されているので、ピンクテープさえ見落とさなければ迷うことは無さそう。
倒木にムキタケがびっしり! 虫もたくさん湧いていた。
全体に倒木が多いようです。
倒木の下をくぐる個所も多く、中腰になるためけっこう大変。
下手をするとポキッ!と腰痛を発症したりしてね・・(^_^;
ヤバイ ヤバイ。ここは誰も来ない山の中だぞ。気を付けて気を付けて・・・
頂上に近づくにつれ道はどんどん険しくなり、息が上がる。(>_<)
ここは右側の岩にそって登るようです。
ずっと樹林帯で頂上が見えなかったけど、ここに来てやっと姿を現しました。
でもまだかなり標高差がありそう・・・
ロープの箇所も次々出てくるようになりました。
だいぶ疲れてきた頃、なんだか空が抜けそうな雰囲気。
頂上に着いたかな?
ポン!と出ました。頂上です。 やったー!
うっひょー! 高度感がハンパない。
怖くて岩の先っぽに近づけません。
陸奥湾、津軽半島、そしてその先に岩木山も見えました。
今日の予報は晴れだったんだけど、残念ながら空全体が曇ってます。
でも岩木山まで見渡せて良かった。
山頂一帯は岩がニョキニョキしていて、この先に頂上標識があるらしい。行ってみる。
こんなところを歩くのは楽しい♪
ありました。頂上の標識。よくネットで見るやつです。
ここがホントの頂上なんですね。
登山口方面にはババ岩とジジ岩が見える。
ババ岩(左)とジジ岩(右)のアップ
ババ岩へは登山道があり、縫道石山の素晴らしい展望台になっているとのことなので、本当は来る途中にババ岩に寄ってみるつもりでした。
でもババ岩への分岐点を見過ごしてしまったようで、そのまま来ちゃいました。
帰り道には寄ってみたい。
↓↓↓
帰路 展望台から縫道石山を眺めてみる
1か所だけある、林が切れて山が見渡せる場所。
ここも、登っているときは見過ごして素通りしちゃった場所。
ババ岩に来ました。
ここも面白いトコですな。
ババ岩の先はこのようになっていた。ここから先へ進むのは無理だろう。
向こうにはジジ岩が見えます。これも面白い形。
さて、ここから見る縫道石山は素晴らしいデス!
まさに「展望台」と呼ばれているだけのことはある。
これを実際に見るために下北に来たと言ってもいいくらい。
カッコイイーー
ドドーン!
ババ岩への分岐には標識も何もない。 これじゃ、初めて来た人は見落とすかもね。自分も見落としたし・・
林道を戻る途中から見上げた縫道石山
カッコイイ山でした (^^)
下山後、「ぬいどう食堂」にて昼飯。 写真の右奥に縫道石山がのぞいています。
ここは話好きのおばさんが一人で切り盛りしていて、私が入ったときは他に客が一人。
その一人もすぐに帰ったので、あとはおばさんと世間話を延々としちゃいました。とても感じの良い方で、笑顔も素敵でした♪
以下、おばさんから聞いた話・要約
・ 最近はイカが採れず、以前は漁師が毎日のようにイカを売りに来てくれていたが、最近は週に1回なんてことも多い。
→ 今回は歌舞伎丼を頼んだ。→ 本当はマグロ、イカ、イクラが入るんだけど、今イカがないので、イクラを多めに入れてもらった。
・ おばさんは毎朝、縫道石山に向かって手を合わせている。
・ 昔は本当に客が少なく、1週間に一人なんてこともあって、やっていけるか心配だったが、あるときテレビで紹介されてから有名になり、客が増えた。
・ 故、田部井淳子さんも生前は3度ほどここに寄られたことがある。
・ バイクで旅している人なんかもたくさん寄ってくれる。
あんまり長々と話していると仏ヶ浦に寄っている時間がなくなっちゃうので、適当なところで失礼しました。
この後、車で20分ほどの仏ヶ浦に向かいます。